2007.9. 7

人体の不思議展

9月2日、大阪にて開かれている「人体の不思議展」に行ってきました。


「人体の不思議展」は昔から全国で定期的に開かれています。
今は9月1日から12月2日まで、大阪のスカイビルで開かれていますので、
興味を抱いた方は是非行ってみてください。
後悔はしないと思います。


最初の部屋は、今までの解剖学の歴史や、それらに関する資料が展示されています。
解剖のカラーイラストなどはリアルで、それだけで凄いと感心してしまいました。

とろこが、次の部屋に行ってみると、まず男女の上半身の標本を見ることになるんです。


それを見た瞬間はやっぱり「うゎ・・」って思ったし、
連れも「気持ち悪い・・」って呟きました。
でもそれも一瞬のこと。
すぐにこの臓器は何なのか、どうなっているのか、という興味に移ります。

これはうちらだけじゃなくて、他の人もみんなそうなんです。
最初はビックリするんですが、すぐにしっかりと「体」と向き合います。
客層は、カップルや子供連れの家族が多かったです。

「子供とか、こんなたくさんの標本を見て怖がったりせーへんのか?」と、
疑問に思ったんですが、一番子供が興味津々と見ていたような気がします。
中には紙とエンピツを持って、スケッチをしている小学生もいました。


「人体の不思議展」の大きな特徴は、プラストミック標本です。

プラトミック(プラスティネーション)とは、
ホルマリン容器での保存などでしか見ることができなかった標本が、
常温で半永久的に保存でき、無臭で、
じかに手で触れることもできる標本にする技術のことです。
体液をすべて樹脂に置き換えるという新しい技術によって可能となったそうです。

だからこの展覧会も、ホルマリン容器や箱の中には入っておらず、
触ろうと思えば触れる状態で展示されているのです。
触っちゃいけないんですけどね♪笑
でも、最後にはしっかりと触れる全身標本も用意されています。

脳味噌も持てます。
脳味噌は思っているよりも小さくて、そして重かったです。
本当にこれに「記憶」や「感情」などが蓄積されているのか、不思議に思いました。
「今、うちが持っている脳味噌にはもう記憶はないんかな・・」という疑問も抱きます。

正直、このように冷静にうちらが標本を観察できるという点で、
リアルさはあまりありません。
ホルマリン漬けのほうが生々しさを感じます。

プラスティネーションでの標本は、皮膚や筋肉などは乾燥しているわけで、
色もくすんでいます。
それに加えて全身標本には、「これはどうなのか?」と思える
「遊び」のような要素も加えられていて・・。
「そんな展示の仕方をしなくてもいいのでは?」と思えるようなものもありました。


うちは結局どれがどの臓器なのかがわからないのが気になったので、
2500円の図録も購入したんですが、
そこには大阪では展示されていなかった全身標本の写真もあったんです。

「弓を引く人」「跳躍する人」の二つ。

筋肉の成り立ちがわかるように、との標本だとは思いますけれども、
ちょっと「見せ物」っぽい、と感じて、あまり好きになれませんでした。


他にも、入場料を取るなど営利目的ではないかという点、
献体が中国人のものである点などでも問題点も指摘されている展覧会ですが、
うちは行って良かったと思います。


思っていたよりも大きかった肝臓。逆に小さかった胃。
そして喫煙していなくても黒くなっている肺。
神経の太さ、そして多さ。
体中に広がっている毛細血管。
胎児の標本なんかを見たら、妊娠に神秘性を感じます。


この展覧会に行って、自分の体そのものや、生きているということ愛しさを感じたんです。

投稿者 アリ

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