研究室探訪

谷口 知司 研究室

谷口 知司 教授
現代ビジネス学部
都市環境デザイン学科

Topic
「こだわり市場」
ホームページできました!
 谷口ゼミでは、学んできたものを見える形にすることを目的として、「京都のこだわりの店を紹介したい」という学生の提案から、「こだわり市場」(www.kodawari-ichiba.net)というホームページを作成しています。
 学生なりの尺度で考えた「こだわり」基準を軸に、店選びから取材、記事作成まですべてをゼミの学生が担当。ガイドブックに載っているような有名な店ではなく、あまり知られていない店を町歩きをしながら発掘していき、隠れた名店を紹介しています。一度アクセスを!

観光を学ぶことは、平和につながる
~観光がもつ本来の意味・意義について~

先生が観光の研究をしようと思ったきっかけは何ですか?

 私はもともと観光学を専門としていたわけではなく、情報学を学んでいました。情報学の研究で観光情報のデータベースをつくっているうちに、素材であった「観光」のおもしろさや奥深さに興味を持つようになっていき、研究し出したのがきっかけです。データベースをつくるための観光素材の撮影をし、情報を追加更新していくというデジタルアーカイブの手法によって、観光学と情報学の二次情報をつけ、それらの学際領域を融合させ、観光情報論という研究分野へつなげていったのです。

観光を学ぶことの意義は何ですか?

 観光は、旅行雑誌に載っているように、「見る」「食べる」「遊ぶ」ものだというとらえ方が一般的です。しかし、観光という言葉が持つ本来の意味は、「国(国家のみならず、都市、地域、集落など文化を同じくする人の集合体という意味)の光を観る」ということです。自分達の地域の誇れるものを探し出して磨き、多くの人にそれを示す、またそこに来る人たちにとっては、地域にある固有価値を見る、という両方向の動きが観光にはあります。お互いの地域のことを知ることで相互理解につながり、違いを認め合いながら共存していける平和な社会をつくるということが、観光の究極の目的だと考えます。そもそも観光は平和でなければ成り立たないし、また、交流を深めることによって平和をもたらすものなのです。そのことを理解し、観光を学ぶ意義を見いだしてほしいと思います。ですから、観光に行く際には、「学ぶ」ことも一緒にしてほしいですね。

今後の研究テーマは?

 現在進めようとしているのは、フィリピンのミンダナオ島にある都市「ダバオ」の研究です。20世紀初頭、日本人が多く移住し、麻栽培の農園経営などに携わっていました。現在でも多くの日系人が居住し、リタイアした日本人の移住先としても知られています。ミンダナオ国際大学と協力し、観光学的な手法を使って、もっと多くの日本人に紹介をして交流を促進するプロジェクトを進めていく予定です。

インタビュアー
森田 奈央 さん
現代ビジネス学部 都市環境デザイン学科 3回生

 谷口先生はいつも優しく、楽しい話をたくさんしてくれる先生です。ゼミでも観光に関する知識を多く与えてくれて、学んでいてとても楽しいですね。

 「こだわり市場」は、先生とゼミ生みんなで協力してつくっている企画であり、新しい京都や知らなかった場所を改めて発見できるものです。今後も京都の新しい情報を発信できるように、先生と一緒に進めていきたいと思います。