診療情報管理士 橋本 昌浩 さん
洛和会 音羽病院 経営管理部
医療情報・がん登録統計課課長
PROFILE
京都産業大学 法学部(1985年)
所属学会
日本診療情報管理学会、日本診療情報管理士会、近畿病歴管理セミナ-(施設会員)
資格
診療情報管理士、診療情報管理士指導者、院内がん登録実務者研修(初級課程修了)
診療情報管理室の1日
AM8:00
出勤。1日の予定を確認。
AM8:20
朝礼。1日の病院のイベントや部署スタッフの動きを確認。
AM8:30
退院サマリー、昨日の外来患者数のチェック開始。
AM9:15
診療情報データの入力および整合性をチェックする。(病名のコードの確認など)
AM10:15
昨日の入院患者数や診療科・病棟等が間違っていないかのチェック。
AM10:30
患者様からのカルテ開示希望への対応。
AM11:30
定期報告作成。入退院患者数・延患者数・在院日数などを毎日報告。
PM0:30
昼食
PM1:30
救急外来受診患者数をチェック。
PM2:30
手術記録のチェック。
PM3:00
医師に対し、退院サマリーと手術記録の督促状を配布。
PM3:30
診療情報データの入力および整合性をチェックする。(病名のコードの確認など)
PM4:00
診療録管理委員会出席。院内の診療情報をどのように活用・運用するかを討議する。
PM5:10
終礼。1日に起こった特記事項の確認。
PM5:15
他部署からの依頼統計。学会発表等で使用されるデータを提供。
PM6:00
勤務終了
お仕事の内容を教えてください。
病院で診察を受けると、お医者さんがいろいろな診断をして、薬の処方をしたり手術をしたりしますよね。現在、多くの病院はそうした医療行為の記録を、電子カルテとしてコンピュータで管理しています。診療情報管理士は、そうした電子カルテの情報を統計データとして適切に管理して、病院の経営に活かしたり、国の調査に対応しています。
具体的な仕事は、入退院など患者数の入力や、医者や看護師が書いた治療経過のまとめ(サマリー)の管理。さらにはDPCという医療費に関する数値を分析し、自分たちの病院の経営判断に必要な重要な資料の作成などがあります。
どういったきっかけでなられたのですか?
今の病院で勤務を始めたときは、経理課の配属でした。その後、別の部署も経験し、平成8(1996)年に今の部署が設置されたタイミングで異動になりました。ですので、私の場合はたまたま配属になったというのが正直なところです。配属後に学会などでも勉強しながら診療情報管理士などの資格を取りました。
今でしたら、当院の場合、私の所属する部署に配属される新入職員は必ず診療情報管理士の資格を持っていることとしています。ですので、大学や専門学校でしっかりと勉強をしてきた人が配属されるケースが多いですね。
この仕事のやりがいは?
ひとつは、診療情報管理士の仕事が、病院の経営にとって大事な役割を果たしているということです。カルテや電子データをきちんと管理することで、患者さんに対する医療行為がスムーズに行えることになりますし、診療報酬の適切な請求にもつなげることができます。
もうひとつは、大げさに聞こえるかもしれませんが、国の医療の発展に貢献しているということです。実は、各病院で蓄積された情報は、統計データとして集められ、今後の医療の研究や政策などに活用されます。ですので、毎日の仕事が医療の発展に貢献している、社会や人の役に立っているということが大きなやりがいだと思っています。
学生にひとことお願いします
学生時代の勉強は仕事に直結します。しっかりと勉強をしてくださいね。また、大学の勉強以外だと、ワードやエクセルなどの習得も役に立つと思います。