ブックタイトルtachibanabeing75
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tachibanabeing75
大学で学ぶとはどういうことですか?高校までとどのように違うのですか?あえて極端な言い方をすれば、高校までの勉強は受動的勉学、大学は能動的勉学ということになると思います。カリキュラムに従って科目をこなしていくのではなく、大学では、学部・学科の選択を主体的に行ったことを出発点にして、自分で計画を立てていかなければなりません。「大学で何を学ぶのか?」「なぜこの科目について学ぶのか?」ということについて明確な目的意識を持つ必要があります。やはり本は読んだ方がいいですか?読むとしたらどんな本がいいでしょうか。個人的におすすめしたい本はいろいろありますが、特に1回生の間に、自分の専門分野の基本的な理論を紹介した本や、その歴史について述べた本をしっかり読むことが大事だと思います。心理学で言うと、心理学史の本や、フロイト、ピアジェ、マズローといった著名な理論家の理論を紹介した本やその人たちの著書を読むことが大切です。新書版のようなもので十分だと思います。基本的な書物を読むことで、その学問自体の必要性や、それが成立していることの意義、あるいは研究テーマを巡る先人たちの努力や苦悶が理解できます。このことは大学あるいは大学院での勉強の視点や方針を立てる上での基礎になります。私の経験から言えば、大学に入りたてのときに読んだ本はインパクトが大きく、そこで得たことは一生の財産になると考えます。先生は、どんな学生時代を送ったのですか?学部と大学院合わせて9年間も学生生活を送りました。学部時代は京都市内に間借りの下宿をしていました。大家さんによく迷惑をかけましたが、とても理解のある方で快適な生活でした。京都には学生のことを「学生はん」と言って大事に扱う独特の文化、規範があり、皆さんに大切に育ててもらったと思います。京都の学校に進んで良かったと今も思います。授業がないときもほぼ毎日学校に行き、そこで本を読んだり先輩に教えてもらったり、同級生と議論する毎日でした。大学以外では、青少年活動のボランティアサークルや心理学科の研究会に所属し、アルバイトも家庭教師、塾講師、飲食業、販売、町工場の作業、旅館の手伝いなどいろんなことをしました。夏休みは、当時の国鉄が販売していた周遊券という切符を使って一ヵ月の間あてもなく北海道をさまよい、いろいろな人と仲良くなったりしました。学生時代にしかできないことはすべてやろうと思って行動し、結果的にすべてやりつくしたと思っています。大学生はレポートが多いと聞きますが、本当にそうなのでしょうか。そして、それはなぜなのでしょうか。大学では、科目の性格によってさまざまな評価方法がとられます。大学においてレポート作成が重視される理由は二つあると思います。一つには、レポート作成が、自らがコンセプトを企画し、情報を収集・整理して表現するものであるため、能動的で主体的な勉学になるからです。もう一つは、単に知識を覚えるという記憶に依存した勉学ではなく、論理的思考力や問題解決方法の提案能力を身につけるという大学教育の趣旨と一致していることでしょうか。大学4年間という長い時間を、どのように過ごしたらいいのでしょうか。ポイントは二つあります。一つは、大学で勉学すること自体を目的として位置づけるのではなく、自分が向上するための手段と位置づけて、それを最大限に利用してもらうことです。授業外でも教員に関わっていろいろなことを教えてもらうこともそうですし、図書館や実習室などの設備はぜひ使い尽くしてください。二つめは、「大学生にしかできない生活を送ってほしい」ということです。学生時代は人生のなかで唯一無二のきわめて貴重な4年間であるということを実感して充実した毎日を送ってもらいたいです。ぜひ皆さんも本学を卒業して10年後、20年後に「最高の学生生活を送った」と胸を張って言えるようになってもらいたいと願っています。大学での学びは、高校までとは違うものです。これから学ぶ新入生、まだまだ模索中の在学生のために、今回、心理学科新3回生の西田真優さんが、同学科の永野光朗教授に大学での学び方や永野 光朗 教授生活についてインタビューしました。健康科学部心理学科西田 真優 さん健康科学部心理学科新3回生教える 学ぶ先生教えて! 大学での学び方や生活について